第3話 山田家へようこそ

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リムジンに揺られて田舎道を1時間ちょい、山道を上がったり下ったりぐるぐる回ることさらに1時間ちょい。 人里離れた山の上に山田家はあった。 「でけぇ」 でけぇ、感想としては0点だがこれ以外思い浮かばなかった。 とにかくでかい。 「東京ドーム何個分なんだろう」 「何個分かはわからないがこの周りの山や田んぼは全部山田家のものですよ。」 「はへー」と窓を開けて顔を出す。 辺り一面きれいな緑で囲まれていた、近くに川が流れてるのかな?水の音がする。 風が気持ち~。 「あんまり乗り出すと危ないですよ。ほら本家ももうすぐだ」 車に揺られてる時間で西岡とは随分仲良くなれた気がした。 西岡の口調は所々砕け、一人称も「私」から「俺」になっていた。多分もともと俺と居るときはこんな感じだったんじゃないだろうか。 母も西岡は付き人でずっと一緒にいたって言ってたし。 俺達は山田家の門をくぐった。
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