第20話 記憶
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広太様の儚さに拍車がかかっている。普段の彼ならば、例え連れ去られようともこのような現状に陥る分けがない。 とても凛々しいお方なのだ。 だが、ルビーの様な煌めく瞳は今は虚ろで、艶やかな口元はブツブツと何かを呟くばかり。 …………視線が定まっていない、薬を盛られたか。 ともなれば、これは異常事態。 …………ーー連れ出してさしあげねばな。
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