第20話 記憶

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「広太様?広太様?……駄目だ、聞こえてらっしゃらない」  目の前で何度もパチパチと指を鳴らすが一向に此方を見て頂けない。  ホテルの一室からなんとか連れ出したは良いものの、まだまだ油断は禁物だ。  この非常階段もいつばれることやら。  急いで広太様と1階まで降りたい所ではあるが………ここ32階だしなぁ。  いや!俺は良いんだけどね。広太様をおんぶ出来るなんて、むしろご褒美なんだからね! …………だが、この状態の広太様がおんぶを許して下さるだろうか。
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