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隆一郎はてっきり、広太は西岡と共に連行されているものだと思っていた。そう思い込む程に彼等は常に一緒に居たからだ。バババババッ!!と空をつんざく轟音が響き渡る、やかましいったらありゃしない。
「………やはり俺たちは相いれませんね、父さん」
やはり移動は車に限る。
「隆一郎様あぁーーーー!!!!ここですッ!!ここぉッ!!!!」
ヘリのプロペラ音に負けず劣らずな大声で下方の國枝が喚く。「コ・コ!!」と身振り手振りで表現すらしてくる。存在が喧しい男だ。そしてそんな男に引きずられるようにして広太が居た。
地面にへたり込みぐったりとしている広太が。
「――――ッ広太………!!」
俺は操縦士に急いで指示をだした。
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