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西岡が金庫から取り出したのは古びた日記帳だった。
「俺の、前の主人の持ち物です」
見たところ何の変哲もないただの日記帳だ。
地下牢に幽閉されている筈の西岡が当の親父の愛人と二人目の弟、陽太と庭にいるのを見たときは焦った。
だが國枝曰く“あれにそんな権限はない”とのことでそのまま俺達は着陸したのだ。
西岡はこんこんと語りだした、広太の様子が変わった理由を。
それは、彼が広太を連れて逃げなかったからだという。
この閉じられた山奥から、連れて逃げ出す事を拒否したからだと。
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