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数日後、広太の自室に手を引かれ招かれた。
キョロキョロと周囲を執拗に警戒する姿に俺の心は一抹の不安に駆られる。
広太はこの家には珍しくはつらつとした元気な子供だ。先日の事も、初めは寿和子様自身が広太を監視していてそれを広太に勘づかれたのだろうと思っていた。
あの方はとてもデリケートなお方だ。何かを切っ掛けに不安に駆られたのだろうと見守っていたのだが、………如何せん状況が悪化している。
「カーテンの中に誰か居る?」
「…うん」と力無く頷く広太に俺は頭を掻いた。
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