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「もーらいっ!」
その声と共に僕の背後から走り去って行った彼女は、僕の食べようとしていたホットドックを奪い去る。
「油断してたらいけねーな。いけねーYO!」
にししと笑い僕の方に彼女は振り返る。とても可愛い娘だとは思う。思いはするんだが、うん。
「いや、誰だよ」
僕がそう言うと、彼女は僕の顔をまじまじと見つめ、顔を真っ赤にし、見ててもわかるくらい汗がダラダラと流れる。
「ひ、人違いでしたぁ!」
そう言って顔を両手で隠しながら、その場から走って行った。
これが恋愛漫画とかなら、後日別の形で出会ってラブコメったりするのかもしれない。
そんなボーイミーツガールを期待して僕は彼女が僕の恋人になる未来を期待し、再びホットドックを買いに戻った。
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