たった10分くらいの出来事

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そう言いながら、顔を赤くして俺の顔と自分の指を交互に見て、ジタバタしている。 焦る山下さんは新鮮だ。 もしかしたら、俺しか見たこと無いかもしれない。 すげー、うれしいかも。 そう思うと、つい顔がにやけてしまった。 「残りのチョコも食べさせてよ」 スプーンを持ってくるという山下さんの意見をにこやかに却下して、彼女がその指でチョコレートを食べさせてくれるのを待っていた。 皿のチョコレートを指で集め山下さんは、こちらを軽く睨んでいる。 そして、何を思ったか、彼女は俺の口元にチョコレートを塗りつけると、次の瞬間、自分のくちびるを押し当てた。 「!!!」 えっ?えっ・・・・・・?! すぐに俺から離れた山下さんは、視線をはずすことなく、くちびるに付いたチョコレートをペロリと舐めて、してやったりという様な笑みを浮かべた。 「・・・・・まだ甘過ぎる感じしない?」
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