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山下さんは戸惑いながらも、頷く。
俺はあいている左手で、彼女の身体ごと自分の方へ向かせてから、その手を移動させ、後頭部に添えた。
この時の俺は、どうかしていたんだと思う。
「俺にも味見させて」
俺は笑顔でそう言うと、山下さんの口から指を引き抜いて、代わりに自分の舌を捩じ込んだ。
「んっ・・・っっ!!」
山下さんは更に目を見開き、俺はそこに視線を合わせたまま、彼女の口内に塗りつけたチョコレートを、全て味わうように舐め取っていく。
「ふっ・・・んっ・・・、ん~~っっ!」
しばらくして、山下さんが両手で俺の身体を押してきたので、もっとこうしていたいと感じつつ、彼女から離れた。
その途端、チョコレートまみれになっていた口元を手で隠しながら、山下さんは大きく肩で息をして、目を潤ませていた。
「もう!慣れてる伊藤くんと違って、初めてなのにっ!舌入れるってどうなのっっっ!!!息できないしっ!」
「なっっ、俺だって初めてだよ!・・・っていうか、なにしれっとさっきのを無かったことにしてるんだよ」
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