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四.
「来たぞ!!!」
作戦室の一同にブラックドラゴン来襲の知らせが入った。
「いよいよだな」
マルスはレオ、そしてサジタに決意の視線を送る。
ドラゴンの元へ向かう3人に もはや言葉は不要であった。
国王ポールとカシオは作戦室に残り報告を待つ。
カストルはサジタを呼び出した日以来、重責に耐えかねているのか姿を見せていなかった。
城の西側で騎士団をはじめ多くの兵がドラゴンの足止めをしていた。
そこへ駆けつけたマルスの一行はあらためてブラックドラゴンの放つ禍々しいオーラに圧倒されていた。
「うぬ、たしかにただのドラゴンとは違うな。
勇者殿、やれるか!?」
「ああ、なんも問題ねえべさ」
レオの熱心な指導のおかげで、サジタには微塵も不安はなかった。
「頼みます」
深々と頭を下げるレオはサジタの顔を見ることができない。
そのとき後ろからひとりの青年が声をかけた。
「サジタさん、ボクも応援しています」
カストルが危険な戦場に姿を現したのだ。
自分のしてしまったことから目を背けてはいけない。
カストルは一部始終を見届け、それを一生背負って生きていく覚悟であった。
「おっ、お前ぇも来たのか。
よーく見てろよ、あんなの一発で仕留めてやるさ」
サジタはドラゴンを見据え、ドラゴン退治の剣をさやから抜いて構えた。
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