四.

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「あ、そうだ。  あんちゃん、おいらアレからずーっと考えてたんだけんどよ、  ほれ、あの サンダーなんとかっての。  ああいう掛け声があったらよかんべと思ってな」 サジタはドラゴン退治の剣をまっすぐ上に掲げながら叫んだ。 「スーパーストロング リトアタック~!!  な、雰囲気出るべ!?」 レオとカストルは目を丸くしたまま顔を見合わせた。 誰かが「勇者リト」についてサジタに教えたのか? レオは無言のまま首を横に振った。 「あ、リトってのは ウチで飼ってるべこ(牛)の名前ぇだ。  ほれ、剣のここんところの模様がべこの顔みてぇだろ?  こいつは リトの剣 だな」 レオとカストルは呼吸が止まっていた。 「んだば、ちゃちゃっと済ませてくっから。  待ってろ!」 サジタはブラックドラゴンの元へ駆けていった。 呼吸を取り戻したカストルは口を開けたままのレオを揺さぶった。 「ちょちょちょちょちょちょ、ちょっと待ってください!」 「もしかしたら、神様がよこした異界の住人というのは、  数百年前の 勇者リト本人だったのかもしれません!!!!」 「な、なんだってぇ~~~、  あんなのが勇者リトだってのか?」 かけはなれたイメージに衝撃を受けるレオ。 しかしカストルは重要なことに気が付いていた。 「もし、彼がドラゴンを倒して死んでしまったら・・・・  勇者リトの子孫は生まれないことになってしまいます」 「へ? 子孫って、オレは?」 レオはまだピンと来ていない。 「あなたも、あなたのお父さまも、ここで勇者リトが死んでしまったらいるハズがないんです」 「じゃあ、オレはどうなるんだ?」 「まったくわかりません。  もしかしたら存在が消えてしまうのかも!!」 「き、消えるって、ちょ・・・・  サジタが死んでオレも消えたら なんにも意味がないじゃないか!!」 パニック状態の二人はあわててサジタを呼び止めたが、騒然とした戦場でその声はかき消されてしまった。 「ちくしょう、はじめからオレが行けば・・・!」 レオはサジタの後を走って追いかけた。
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