10人が本棚に入れています
本棚に追加
四月朔日藍、二十四歳。
独身。彼女なし。
大手製薬会社で新薬プロジェクトの責任者を担っている。
海外の超がつく有名大学へ留学し、そのまま大学院まで出て帰国。
大学院で書いた卒業論文は業界ではかなり斬新なやり方だと、話題に上がったくらいだ。
就職はせずに、しばらくゆっくりしたいと考えていたのだが、藍が帰国したというニュースは国内の業界企業に知れ渡り、売り込み競争が勃発したのだ。
どこも大した魅力を感じなかった藍。
しかし、一社だけ気になる企業があった。
それは営業に八月朔日翠がいる企業だった。
最初のコメントを投稿しよう!