0人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうだな。じゃあ、今日一日君とデートがしたい。」
こんな輩とは関わるべきではないけれど、俺はあえて望みを言った。
この女の企みを最後まで聞き込むためだ。
きっと、契約書のようなものを持ち出して来るだろう。
その段になったら、ドアを閉めれば良い。
「そんなことならお安い御用です。
デート場所ですが、オリオン大星雲はいかがでしょう?
とても美しい場所なんですよ。」
「……そう、良いね。
じゃあ、そうしよう。」
オリオン大星雲だって?言う事が無茶苦茶だ。
やっぱり、新興宗教なのか?
とりあえず、教団と思われる場所には近寄らないようにしなくては。
中に引きずり込まれたら、さすがにやばい。
身支度を整え、外に出て行くと、彼女は僕の手を取った。
その積極的な行動に俺が驚いていると…
「では、今からオリオン大星雲にワープします。」
そう言って、彼女は腕に付けた時計のようなものに何かを打ち込んだ。
その瞬間、目の前を光の渦のようなものがうねうねと揺らぎ、俺は無意識に目を閉じた。
そして、再び、目を開いた時…驚いたことに周りの景色は一変していた。
最初のコメントを投稿しよう!