開けなきゃ良かった。

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「えっ!ど、どういうことだ!?」 「心配はいりません。転送装置によりワープしただけのことです。」 「……ワープ?」 おかしい… 今、俺は家の前にいたはずなのに、目の前には青く澄んだ海が広がり、日差しも暖かい。 まさか、俺…危険な薬でも注射された? いや、そんなはずはない。 俺はダウンを着ているのだから。 それに、注射針の刺さる痛みも感じなかった。 でも、それなら、この状況をどう理解すれば良いんだ!? 「暑くないですか?」 「え?あぁ、まぁ、確かに…」 俺はダウンを脱いだ。 夏に近い陽気だが、湿度は低いのかじめじめとはしていなくて、良い塩梅の風が心地良い。 「いかがですか? ここは、デートスポットとして有名な場所なんですよ。」 「あ、あぁ…良いね。良い場所だ。」 俺はかなり混乱はしていたが、もしかしたら、今、夢を見ているのかもしれないと… そうとでも思わないと、気持ちの安定は保てないから、そう思うことにした。 俺達は、砂浜で追いかけっこをしたり… 今までに食べたことのない海の幸を堪能したり、楽しい時間を過ごした。 そもそも、こんな可愛い女の子とデートだなんて、夢でもなければ出来るはずがない。 そうだ、やっぱりこれは夢なんだ。
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