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つながる想い
これから教室でも遠慮はしない。
神野はその言葉の通り、朝の挨拶から始まり、休憩時間には俺の机まで来て一方的に話をしていく。
クラスメイトがそれを見て驚き、田中と女子のグループは俺が気に入らないようでこちらを見ては睨みつけてくる。また絡まれたら非常に面倒くさい。
神野から逃げたいと思うのに、せっかく作ってきた弁当を無駄にはしたくない。で、結局、一緒に食事を摂ることになってしまうのだ。
この前からやたらに距離が近くなった気がする。互いの手が触れ合うくらいの距離にある。
「近ぇよ」
と肩を押すが、すぐに身体を余計に寄せてくる。
「神野っ」
本気で怒った声をだせば、
「葉月が暖かくて、調子に乗った。ごめん」
寂しそうな顔をされて、いささか気が咎める。
「くそ、お前が寄りかかるのは禁止な」
少しだけ事情を知ってしまったから突放せなくなった。頭を乱暴にかき、俺の方から神野に寄りかかった。
「俺は駄目なのに葉月は良いんだ」
俺だって、家族以外の温もりは久しぶりなんだよ。怒ったのも照れからだ。
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