1人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
大事な事は、奴らが教えてくれる?
俺は、心霊現象と言われる類の物が好きになれない。
怖いからではない。見えてしまうからだ。
いつ頃からだろうか?
俺は、心霊現象を認知する事ができる。幽霊と言われる物がはっきりと見えてしまうのだ。相手も、俺が見えている事が解るのだろう。コンタクトを取ってきたりする。
「田村!どうした?疲れ切っているぞ?」
「うるさい。話しかけるな」
「おっおぉ・・・」
会社の同僚の村田だ。
同期だという事もあり、よく飲みに行ったりしている。お互いの事情もある程度は知っている。
違うな。奴の事情は、奴から聞いたわけでも聞き出したわけでも調べたわけでもない。
俺の耳元でピーチクパーチク話をしてくる奴から聞いたのだ。
奴に取り付いているわけではないとそいつは言っている。自分の事は一切話をしないのに、村田の事は、子供の頃から、それこそ産まれた頃の事から話を、聞いても居ないのに教えてくれる。
そのおかげで、俺は村田が小学校二年生の時に学校の帰りにおもらししたのを知っている。別にどうでもいい話だが、この幽霊は楽しそうに話してくる。俺が話を聞かないと、心霊現象を起こしやがる。
最初のコメントを投稿しよう!