ただのクラスメイト

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 毎朝愛想笑いをしているので流石に疲れが溜まってきているのだがここのコンビニのメロンパンがたまらなく好きなので渋々我慢して通っている。  大好きなメロンパンが入ったコンビニ袋をサドルに引っ掛けてまた学校へと向かいだした。  高校に近づくにつれて同じ制服を着た生徒たちが溢れている。  グラウンドでは野球部が大きな声を出して朝練中だ。  クラスメイトが数人いたので心の中で頑張れと声援を送っておく。  キャッキャと騒いでいる女子軍団の群れを抜かし、校門の手前で自転車を降りる。  駐輪場で自転車を停めて、鞄からイヤホンを取り出し耳に嵌めた。  別に聞きたい曲があるわけではないのでシャッフルにして曲を掛けると、今人気のアーティストの曲が流れ出した。  まだ七時半を回ったところだけれどそこそこの人が昇降口に集まっている。  その中には先ほどの女子軍団も含まれていた。  ほとんどは受験を控えた三年生で補修のために朝早くから学校へ来ているのだろう。  先ほどの女子軍団もああ見えて受験生なのだ。  青斗のクラスの下駄箱には誰一人として姿はなく、自分の靴箱を開けて上履きに履き替え教室へと向かう。  一年生は三階、二年生は二階、三年生は一階と年を重ねるにつれて遅刻しても間に合う確率が高くなると皆騒いでいるが、余裕を持って登校すればいいだけの話だろうと思うが何も言わない。  真面目腐っていては格好悪い、ちょっと遊んでいた方がイケている、遅刻も学生の醍醐味だと言わんばかりのチャラついたクラスメイト達の意見には賛同しかねる。     
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