君に頼みたいことがある

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 時間が経つにつれてクラスメイト達の人数が増えてきて騒がしさも増す。  先程の赤彦の件が嘘のように日常がやってくる。  心ここにあらず状態が続いていたが後藤先生が教壇に立ち、挨拶を済ませて授業が始まっていく。  黒板にチョークを走らせる音、薄暗い蛍光灯に照らされている教室。  周りを見渡してみれば教科書を衝立代わりにして机に突っ伏して寝ている男子、欠伸が止まらず眠そうにしている男子、机の中にスマホを隠していじっている女子。  何も変わらない今まで過ごしてきた在り来たりな時間がゆったりと流れだした。  青斗はノートにペンを走らせながら今朝の出来事を反芻していた。  あれは本当に現実であったのか?夢を見ていたのではないか?  自問自答を繰り返しても正解が見当たらない。今となっては赤彦がいたと示せれる証拠は何もない。  仮に本当に赤彦が現れていたとして幽霊なので証拠は残らないし。  白昼夢でも見ていたのだろうか。パンツの濡れた感覚はもう消えていた。  そんな事を考えていたものだから青斗は気づかぬうちにノートに現実・夢の二文字を大量に書いていた。  大丈夫か、俺。  大きく溜息を吐いてから、消すのも億劫だったのでそのページを破いて机の中へ突っ込んだ。
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