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規則正しい目覚ましの音で気持ち良く起きることが出来た。
時刻は六時半。朝日が昇ってくると同時に青斗も上体を起こす。
カーテンの隙間から漏れる柔らかい太陽の日差し。
朝の太陽は昼に比べて優しい気がするのは気のせいだろうか。
そしてもう直ぐ冬が到来するという事もあって日に日に日差しの力が弱まっている。
窓越しに何も変わらない風景を一通り眺めてベッドから起き上がり学校へ行く準備を始める。
階段を降りて一階へ向かいリビングへと向かう。
いつもの通りリビングの机の上には千円札が一枚置かれていた。
両親は青斗が起きる頃にはすでに出勤していることが多い。
それに対して何も不満に思わないし、そのおかげてで生活できているのだから文句を言う方がおかしい。
千円あればコンビニでおにぎり二個とパン二個、オレンジジュースを買ってもまだ余る。
毎日余るお釣りが青斗の隠れた小遣いになっていることは親には内緒だ。
体育祭も終わってもう直ぐで冬が来る。
空気の中の秋の匂いが徐々に薄くなり冬の色を含みだしてきた。
顔を洗って歯を磨く。覇気のない二つの目が鏡の中に映っている。
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