ただのクラスメイト

3/16
前へ
/191ページ
次へ
 ワックスの付け方は良く分からないので手櫛と水で寝癖を直し、欠伸を噛み殺しながら自室へ向かった。  制服に着替えて、今日の授業の確認をし鞄の中に教科書とノートを詰めていく。  クラスメイト達はロッカーに教科書を置いて帰っているが青斗は予習復習のためにほとんどのものを毎日持ち帰っている。  結構肩が凝るのだ。重たい鞄を引きずりながら一階へ降りてリビングに向かう。  テレビを付けて朝のニュース番組を流しながら机の上に放り出されていた朝刊を読む。  これといって気になる記事は入ってこないし、耳にも聞こえてこない。  朝ご飯は気持ちが悪くなるから食べない。健康には悪いけれど、吐きそうになるのを我慢して食べるのはどうかと思う。  これが毎日のルーティーンで、天気予報を見終わってから家中の戸締りを確認して家を出る。  玄関の鍵のチェックも忘れずにやる。  重たい雨雲が空を覆っている。朝の天気予報では雨の予報だったが夜の九時からなので大丈夫だろう。  庭に置かれている黒い自転車の前かごに鞄を突っ込んでからサドルに跨って一気にペダルを踏み込む。  重い鞄にハンドルを取られてフラフラと蛇行しながら学校へと向かった。
/191ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加