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*10*一期一会
律希からプロポーズを受けて数ヶ月が経った。
相変わらずお互いすれ違いの生活だけど、職場でも会えるし何より私に少し優しくなった…気がする。
まあ、ドSなのは変わりないんだけど。
そういえば、一つだけ変化した事があった。
何故か最近異様にお腹が空くという事。
仕事が忙しくて休憩が遅くなった時とかにお腹が空きすぎて気分が悪くなる。
日によって、休憩に入る時間はまちまちだから勘弁して欲しい。
でも、調子に乗って食べ過ぎたら返って気分が良くない。
丁度で食べないと、食べても食べなくても私にとっては最悪の事態だ。
体調悪いのかなあー…、消化器系の問題なのかも。
今度休みあったら、ウチの病院で診てもらおうかな。
「ごめーん、桜田さん。入院くるらしいから、ベッド作ってくれる?」
…げ。
もうお昼なんだけど。こんな時に入院くるなんて…!
今日のリーダーが私の方へ歩いてくる。
「これ、入院の人の情報。ちらっと情報収集したけど初めての入院の人だから、詳しくは救急外来の看護師から申し送り聞いてね。後20分程でくるらしいから」
「…私一人で良いんですか?」
「うん。新人ちゃんには他の仕事頼んでるから。…あ、じゃあお願いねー」
他の人から呼ばれたリーダーは足早に去って行った。
お昼が遅くなるのが決定した事にどんよりしていた私を後輩の莉子が通りかかる。
「こんな時に入院くるなんてタイミング悪いですねー。大丈夫ですか?」
「うん。ありがと、莉子。入院とるだけだろうし、情報聞いたらとりあえずカルテ後にして休憩行くから大丈夫」
「そうですか。じゃあ…お先です」
「うん、いってらっしゃい」
…よし。とりあえず、入院ベッド作ろう。
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