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準備を終えて、カルテ整理をしていた時に病棟の電話が鳴った。
「はい、三階北病棟です」
「あ、桜田か?今から上がる」
「…分かりました」
…そういえば、今日の当番は律希だった。
それから数分後、車椅子を押した律希とその後ろに救急外来の看護師がやってきた。
救急外来の看護師から申し送りを終え、直接患者さんへ挨拶に行く。
「失礼します。今日担当させてもらいます、桜田と言います。よろしくお願いします」
「よろしく ーーーー」
「あら。随分、若いわねぇ、大丈夫かしら?」
「こら、失礼だろ。そんな言い方」
値踏みするようにジロジロ見る女の人とそれを制する男の人。
「すみません。僕は息子の一馬と言います。こっちは妹の愛です」
「はい。よろしくお願いします。 また後からお聞きしたい事あるのですが、まずは原さんの今の状態を確認したいので、一度家族控え室にお願いしても宜しいですか?」
「…はい。分かりました」
「その間にこの紙に緊急連絡先の記載をお願いします」
息子の一馬さんがペコリと頭を下げ、妹の愛さんを連れてその場を後にした。
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