第1章*1* 非日常への入り口

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だいぶ寒さが治まってきた三月下旬の空の下。いい感じにふわふわして、とても気分が良い。 明日休みだし、家で呑み直そうかな~なんて考えていた私に後ろから降ってきた声。 「オネーサン、ちょっといい?」 「オネーサン、アンタだよ、アンタ。」 歩みを止めずにいると、グイッと肩を掴まれ振り向かされた。 「わーお、俺好み。ね、遊ぼーよ。」 見るからにチャラそうな男が私の目の前でニコニコしている。 「いえ、結構です。もう帰るとこなんで」 「そんなこと言わずにさ。ちょーっとだけ」 「しつこい、ってちょっ…」 聞く耳持たず、腕を掴まれる。 どうしよーかな、もう早く帰りたいのに。終電無くなっちゃったら、タクシーで帰るとなると痛い出費だよね そんなアホな事を考えてる間にも、グイグイ引っ張られて一つ外れた路地のホテル街に連れてこられた。 これは、いよいよヤバいやつ。 「ちょっと、ホント離してって、ば!」 ぐいーっと手を引き剥がそうとするが、男の力に敵うわけもなく。 ど、どーしよ…。 ーーーこーなったら。
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