第1章*1* 非日常への入り口

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「……」 「…答えねぇの?」 「仕方ねぇか、嫌ならこのままここで抱くぞ?」 「……」 「…へぇ。野外プレイ好きなのか。」 そういうや否や、私のスカートに手を伸ばす。 「…っ、ちょっ、あや、あやねっ!」 「上は?」 「桜田、桜田 彩音(サクラダ アヤネ)…です」 「彩音、行くか。」 そう言って、手を引かれスタスタ歩いていく。 手を握られているから、自ずと私も歩くしかない。 大通りにでた男は片手を挙げタクシーを拾う。 そして、自動で開いたドアに押し込まれその後に続いて入ってくる。 タクシーの運転手に行き先を告げるが、その行き先は私の自宅と真逆の方向。 「ちょっと、家に帰りたいんだけど。」 チラリと横を見ると、目を伏せ黙っている。 「…すみません運転手さ」 ん、と言おうとした言葉を飲み込む。 手を絡め取られたからだ。 でも、男の目は伏せられたまま。 何も言葉を発していないのに、その行動一つで何も言えなくなってしまった。 そのまま10分程走ったら、一つのマンションの前に止まった。 タクシーを降りると、手を取られスタスタと歩いていく。
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