1190人が本棚に入れています
本棚に追加
「……」
「…答えねぇの?」
「仕方ねぇか、嫌ならこのままここで抱くぞ?」
「……」
「…へぇ。野外プレイ好きなのか。」
そういうや否や、私のスカートに手を伸ばす。
「…っ、ちょっ、あや、あやねっ!」
「上は?」
「桜田、桜田 彩音…です」
「彩音、行くか。」
そう言って、手を引かれスタスタ歩いていく。
手を握られているから、自ずと私も歩くしかない。
大通りにでた男は片手を挙げタクシーを拾う。
そして、自動で開いたドアに押し込まれその後に続いて入ってくる。
タクシーの運転手に行き先を告げるが、その行き先は私の自宅と真逆の方向。
「ちょっと、家に帰りたいんだけど。」
チラリと横を見ると、目を伏せ黙っている。
「…すみません運転手さ」
ん、と言おうとした言葉を飲み込む。
手を絡め取られたからだ。
でも、男の目は伏せられたまま。
何も言葉を発していないのに、その行動一つで何も言えなくなってしまった。
そのまま10分程走ったら、一つのマンションの前に止まった。
タクシーを降りると、手を取られスタスタと歩いていく。
最初のコメントを投稿しよう!