1189人が本棚に入れています
本棚に追加
慣れた手つきでオートロックを解除し、エレベーターに乗り込むと男は〝16″を押した。
無言のまま、一つの扉の前、鍵を取り出しガチャリと鍵を回す。
ここで、この男の家だということが分かった。
一人で暮らすには広すぎるくらいの部屋は、ベッドとテレビ、ソファしかない。
モノが無さすぎる事も広く見える理由の一つだと思う。
「シャワー使うか?」
「…遠慮しときます。」
「そうか。じゃあ、そのままで」
「や、やっぱり……」
「使うとか無しな」
男から放たれる雄の雰囲気に、やっぱりここまでついてきた私は浅はかだったと感じるがもう遅い。
ジリジリと近付いてきて私が一歩後退する度に一歩近付く。
この男と会ってからもう何度目だろうか、壁さんこんにちわ。
「…っ」
右手で顎を捉え、少しでも動けば口唇が当たってしまう数センチの距離でピタリと止まり
「彩音…、もう離さねぇから覚悟しとけ」
不敵な笑みを浮かべ、男は私の唇を奪った。
「んっ…ぁ、」
手慣れた手つきで脱がされ、気付けば下着だけしか身につけていない。
慌てて隠そうとした手はいとも簡単にシーツへ押し付けられる。
「全部見せろよ。お前の全部を」
最初のコメントを投稿しよう!