人間

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人間

 学校につき、目的の子の机の前に立ち、目的の机の中に、目的の手紙を入れる。彼が読んでくれるかはわからない。でも、最低でも存在に気づきはしてくれるだろう。誰からの手紙かは中に書いておいた。気づくか、気づかないか。何なら気づかなくてもよいと思ってしまうほどに恥ずかしい。今更、何故手紙なんてものを使ってみたんだろうか。他にもあったはずだ、メールや通話、何かのアプリを通じて、とか。直接言うなんてそんなことできるはずないし……手紙が一番良かったのかなんて誰も知らないのだから、考えても無駄なことなのかもしれない。でもこういう時くらい自分の一挙一動に一喜一憂したい。許してくれ、僕を守ってくれる何かさん。     
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