Ⅳ. 第2話 夢への第一歩

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「いつか、北埜さんに言われた目標のことだけどね」  切り出した優を見上げる。 「僕にも見つかりそうだよ」  決意の満ちた表情というより、ほわんとした笑顔に、幾分拍子抜けしてしまう。 「えーっ、桜木、まさかうちの店のオーナー狙い!?」  榊が素っ頓狂な声を上げ、真由稀も驚いて目を丸くする。 「違うよ」  動じることなく、優は笑った。 「じゃあ、独立するんですか?」 「うーん……まだはっきりとは言えないけど」  手にしているジントニックを飲み干すと、優はカウンターに行き、グラスを返し、ウィスキーを注文した。  ウィスキーの味をみると、そのままバーテンダーと話し込む。  桜木さんも、結構、残念よね……。  実際、モテるのに。
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