Ⅳ. 第2話 夢への第一歩

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 優目当ての女性客を何人か知っている。  真由稀は優の背を眺めた。  付き合っても、いつも女性の方から去っていく。  仲間内と話している時、そんなことを優は言って笑っていた。  あなたがお酒に夢中だからよ。  研究熱心な姿は尊敬も出来るけれど、遠くにも思えるものだわ。  自分を一番と思ってくれていないと感じると、女は淋しくなってしまう。  そして、最後の賭けに出ることになる。  別れを切り出すことで、あなたの気持ちを計ろうと。  素直なあなたは言葉通りに受け取って、追いかけもしないのでしょう。  近くにいると、よくわかる。  そして、もう一つ原因はある。  『彼女』の存在だ。  『恋人』ではない彼女。
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