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そう言った蓮華を眺め、優は大きく頷いた。
「……同じだよ。僕もそう思ってた。一緒にやるよ、お店」
「えっ! ホント!?」
みるみる蓮華の笑顔が華やいでいき、肩の力が抜けた。
「はーっ、良かったぁ! 優ちゃん口説けなかったら、あたしがカクテル修行もしなくちゃって思ってたとこだったから」
ひとしきり笑い合うと、優が改めて蓮華を見つめた。
「ママのいる店で働いたことはないけど、いい店にしていこう」
「優ちゃん、ありがとう!」
石畳の上で飛び跳ねた蓮華を、黒い海を照らしている明るい月のような穏やかさで、優は見守っていた。
※王室ウィスキー「ロイヤルハウス・ホールド」。
隣は、他エピソード登場のアクアヴィットで、赤道越えした「リニエ」です。
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