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優が、隣に座る蓮華を見下ろした。
「蓮ちゃんのことも、いつまでも『親戚の子扱い』は失礼だね。これからは、対等じゃないと」
「そうよ~」
ショートグラスを片手に、蓮華が笑った。
「じゃあ、『男同士の友情』で。対等でしょ?」
しれっと言った優の台詞に、あんぐりと口を開いたまま静止する蓮華を見て、新香と京香が笑った。
「……まあ、いいわ。『男の友情』ね。……意外といいかも知れないわね」
考えるうちに、蓮華はまんざら嫌でもなさそうな顔になっていった。
景気付けのような祝いであったが、開店がいよいよ見えた頃に、優からも、これに応えるカクテルを振る舞うことにした。
景気付けのような祝いであったが、開店がいよいよ見えた頃に、優からも、これに応えるカクテルを振る舞うことにした。
店を出て、蓮華たち三人が賑やかに歩く後ろに、優と水城が、ゆっくりと続いていく。
「最近は、男女の相棒もバディと呼ぶらしいな」
水城が切り出した。
「男女のバディは、お互いの感性を補い合えるという点では最高だ。だが、利点もあれば、男女であることが、時には障壁になることもあるだろう。きみに限ってそんなことはないとは思うが、うちの孫には軽い気持ちで手を出すことのないように」
冗談めいた口調ではあったが、本音だと優には受け取れた。
「もちろん、お引き受けしたということは、そういう意味も含めてです。僕は、蓮ちゃんとは、男と女にはなりません。あくまでも仕事上のバディです。大事な仲間だからこそ、『男同士の友情』を貫きます」
水城は満足気に頷いた。
「蓮華を頼んだよ」
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