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「そんなところで何もかけないで寝てたからだよ。ベッドに入れば良かったのに」
「何言ってるの。狭いんだし、病人に寝苦しい思いさせるわけにはいかないでしょう?」
動けるようになった楓には、蓮華を見る目にからかうような余裕が現れていた。
楓のためにと、ちょうど買っておいた冷却剤を額に貼りながら、蓮華が、楓の作ったうどんを一本ずつ、つるつると食べる。
「……かわいい……!」
ちゅるんと、うどんを吸い込み、もぐもぐしている蓮華の唇に口づける。
「ダメだって。風邪振り返すよ?」
「大丈夫だよ。それに、蓮華さん、熱くて、なんかエロい……」
ラグの上に、蓮華を仰向けに押し倒す。
「だめだよ」
「ちょっとだけ……」
「……ん……だめ……!」
「弱ってると、かわいい」
「ヘンタイ!」
蓮華の唇は濃厚な口づけに支配され、黙らされた。
「もうだめ! 頭痛い!」
楓が我に返ると、蓮華の顔が一層赤い。
「熱が上がったじゃないの!」
「ごめん」
さすがに楓も焦ったが、翌日には熱が下がり、スッキリした顔になった蓮華は「ぐっすり眠れたからかなぁ」などと笑っていた。
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