サクサク

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青春真っ盛りの俺たちにとっては、この日は特にドキドキのイベント。 眠れぬ夜を過ごして、寝不足の目を擦って学校へやってきた。 今日は朝から女の子に囲まれたりして…なんて淡い期待も虚しく気が付くと帰りのHNだった。 「お前…貰った?」 「おま、聞くな!聞いてやるな!」 2人でゲラゲラ笑い合っている友達。 いつもつるむ、仲良しの友達も今はとても腹立たしく感じる。 まあ来年があるさ、なんて俺の背中を叩く奴は、今日はどうやら本命チョコまで頂いたらしい。 とりあえず、禿げて欲しい。 部活にも入っていない、高校一年生の俺にはまだハードルが高かったらしい、と自分を心内に慰めながら俺は荷物を抱えてそっと教室を出た。
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