サクサク

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昨日フライングで母さんから貰ったチョコでも食べて寝よう、そんなことを考えながら下駄箱までくれば、下駄箱の扉に可愛らしい袋が下がっているのが見えた。 「お?あれ、お前の下足入れじゃ…。」 「うるせー!」 早足に近寄って確認してみれば、間違いなく俺のやつの扉にかかっている。 一体誰が、なんて考える間もなく、とりあえず鞄に突っ込む。 「良かったなあ…。」 「うんうん、本当に良かった…。」 両隣から俺の肩を叩いて泣き真似をする友達2人。 むかつくけど、もういい。 そこからはいつもどおりに3人で寄り道もしつつ、一緒に帰って、家に着いて速攻で部屋にこもった。 鞄から可愛らしい袋を出してみれば、うまくつぶさずに持って帰ってこれていたようで、ほっと一息つく。 「でも、誰からなんだろう。」 母さんから貰ったチョコレートと並べて、机に置いて観察する。 袋から出した包みをそっと開いてみれば中にはクッキーが入っていた。 チョコの方が良かった、とがっかりしつつも、市販品って感じじゃないそれはちょっと俺の心を明るくした。
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