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「その地図の住所にこれ届けてくれよ。そしたら全部利子はチャラにしてやるし、薬も返す。」
今度は奴等の顔は見れなかった。しかし、はっきりと、この耳で聞いたんだ。
「本当.....ですか...?」
「おぉ。しっかりできたらな。」
僕は鼻血まみれの手を薄汚いシャツで拭き、封筒と地図を手に取った。
「今日中に行ってこい。封筒は絶対に開くなよ。」
それだけ言うと、男達の影は地面を滑っていった。
「..........。」
暫く僕は、血が止まるのを待っていた。
昨日の朝から働きっぱなしだった僕の背中に昼前の太陽が照り付ける。
でも僕はそんな事、全然感じなくなっていた。
それ程に、藁にも縋る気持ちでソレを見ていた。
でも、
やっと血が止まって、地図を見た時、僕は単純に絶望した。
「―S地区.....?」
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