第2部 悪魔のプレイヤー

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まさに相手の戦法は悪魔の如く容赦なく攻め入る戦法だった。 アスタロト 1ゲーム獲得! 「はぁはぁ……」 「もう終わりか?ユキムラサツキ?」 「まだ、です……」 2ゲーム目開始 アスタロトのサーブから圧倒され、着々と点数を稼がれた。 しかし、僕も恐らく弱点であるミドルを狙い強打のラリーを仕掛ける。 8 ー 10 サーブ権は僕だ。 「どうした?降参か?ユキムラサツキ」 「こんなところで諦めてられっかよぉ!」 「……!?」 8 ー 10 魔王様の命令とはいえ、このような人間をあの大会に出してよいのだろうか。 俺は試合中に何度もこの事が引っかかっていた。 人間は弱い。臆病で愚かで傲慢で怠惰で。 何の取り柄のない種族。そう教えられていた。 悪魔こそトップだと。 しかし、俺の支える魔王様は悪魔も人間も平等だと言っていた。 魔王様は人間が好きなのか?いや、好きとは何だ? 勝利だけを教えられてきたエリートの俺には分からん。 あと1点。だがあのユキムラサツキ、身の内に強大なパワーが秘められているに違いない。 正直、人間を認めたくはないがラリー中に感じた、奴の本気はそんなものではないと。 「こんなところで諦めてられっかよぉ!」 一瞬だがコイツの眼が赤く光った。 なんだ、あれは。 まさか!?     
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