第3部 デビルロンギヌス

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あの構えは魔力を溜め、ラケットを最大まで振り上げる為だったのだ。 「これが悪魔の矛にして最大の槍!」 「デビル・ロンギヌス!!」 アスタロトは溜めた魔力を解放し、ラケットを思いっきり振り上げた! 天を舞い横回転するボールはまさに槍のようだった。 「く、来る!」 着地したボールは横に飛ぶはずがアスタロトの元に戻るかのように飛んだ。 サツキは取れるはずもなく、最後の点を取られてしまった。 ゲームセット! 勝者アスタロト 2 ー 0 1セット目 11ー 7 2セット目 11 ー 9 フィニッシュ技「デビル・ロンギヌス」 「ぐっ……こ、殺せ…」 「いや、ユキムラサツキ。俺は別にお前の命を奪いに来たわけじゃない」 サツキは「はて?」と首を傾げる。 アスタロトはサツキが勘違いしていた事に勘づき、「はぁ」とため息をついた。 「俺は試合をするまでお前の事を見くびっていた。だが、試合の途中でお前の中の何かを感じたんだ。まるでお前にもう1つ人格があるような」 「………」 黙り込んだサツキを見てアスタロトは何かを察し、本来の目的を話た。 「まあ、いい。勝負に勝ったから言う事を聞いてもらうぞ。俺の主人あるじがお前に会いたいと言っていた。俺の主人あるじの城に来てもらおう。絶対だ」 「なんだ、それならよかった」     
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