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あの構えは魔力を溜め、ラケットを最大まで振り上げる為だったのだ。
「これが悪魔の矛にして最大の槍!」
「デビル・ロンギヌス!!」
アスタロトは溜めた魔力を解放し、ラケットを思いっきり振り上げた!
天を舞い横回転するボールはまさに槍のようだった。
「く、来る!」
着地したボールは横に飛ぶはずがアスタロトの元に戻るかのように飛んだ。
サツキは取れるはずもなく、最後の点を取られてしまった。
ゲームセット!
勝者アスタロト
2 ー 0
1セット目
11ー 7
2セット目
11 ー 9
フィニッシュ技「デビル・ロンギヌス」
「ぐっ……こ、殺せ…」
「いや、ユキムラサツキ。俺は別にお前の命を奪いに来たわけじゃない」
サツキは「はて?」と首を傾げる。
アスタロトはサツキが勘違いしていた事に勘づき、「はぁ」とため息をついた。
「俺は試合をするまでお前の事を見くびっていた。だが、試合の途中でお前の中の何かを感じたんだ。まるでお前にもう1つ人格があるような」
「………」
黙り込んだサツキを見てアスタロトは何かを察し、本来の目的を話た。
「まあ、いい。勝負に勝ったから言う事を聞いてもらうぞ。俺の主人あるじがお前に会いたいと言っていた。俺の主人あるじの城に来てもらおう。絶対だ」
「なんだ、それならよかった」
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