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魔王城が勇者に攻められた話
やばいです。とてぇもとてぇも、やばいです。
ドアの隙間から見える光景は理性をただ一言『やばい』と連呼してしまう。
魔王様が勇者に殺されかけて……ッ! って、マジですか。
魔王城最終フロアとなる魔王様の椅子がある大広間まで、勇者計5名に攻められてしまった。
各フロアにいる武装長に連絡をしても繋がらない……。ってことは……
い、いや、倒されたとしても、少しは相手の情報が流れてくるはず。それなのに『侵入された』という連絡一つとしてなかった。
何かしら連絡をするほどの時間はあったはず。
なのに! 連絡が来る気配はおろか、何なら武装員の生存が怪しい。
まあ結果、最後の砦の魔王様が相手をしているが、
ここでイリスを逃がす方がいいですかね!?
なんたって、イリスは魔王様の娘であり、次期魔王になる人。……なりますよね?
「なあなあ、エアぁ~? 外が騒がしいようだけど、どうしたの?」
「勇者が攻めに来ていました。今は魔王様と戦って――っておい! 少しは緊迫した状況ってのは分かりますよね!? どっして僕に抱き着くのですか!?」
つい、甘えてくる次期魔王に頭を抱える。
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