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これが『愛の告白』――……? 愛、入ってたかな? それより、愛って?
自慢だけど、僕には一般常識がない。
物心ついたころには魔王城にいた。だから、れんあい? っていうのは知らないのです。
まあ、知らなくてもいい情報みたいだから、別に興味ないんですけど。
「だから……ね? 困ったことがあったら私に言って。それなりに力だってあるし、役に立てると思うから!」
おう、頼もしいです――――
「――――ヒイィィィィィイイイイ!! タンマッ!! タンマッッッ!!!」
そう聞こえた悲鳴と共に、湖に大きな水柱が出来上がった。
「「えっ、きれい……」」
ああ、これが感動というものですか。心がジーンとするのが分かります。
湖の上を覆う木はなく、月光が小さな水滴までも輝かせて、幻想的に映し出した。
そして長く続いてほしいと思っても、重力はそれを許してはくれなかった。
一瞬で水柱はなくなり、近くで立っていた僕とイリスを容赦なく水浸しにする。
「「………………」」
音は静かで、波の音が耳を撫でるように聞こえてくる。
嗚呼……水浸し……あっ、なんか酔いが醒めたような気がします。
顔にかかった水を手で拭き落とし、状況を把握しようとする理性。
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