3人が本棚に入れています
本棚に追加
感動の次は『一体どうしてこうなった』と疑問を持った理性が顔を上げた。
「なんか、すごいことを体験した……」
「そりゃあそうですよ。こんな体験はあまりしない人が多いんじゃないですか?」
「そうだよ、ね。全くひどいものだ。こんな雑な降り方があっていいものなのか……?」
僕を含め、三人は肩を下ろして、ため息をつ……?
「……えっと? だれ?」
湖から這い出てきた全身びしょ濡れの女性がそこにいた。
「…………ふえ? ――――!?」
彼女は僕たちの顔を見るなり、驚きで飛び上がり、僕とイリスを交互に指してこう叫ぶ。
「ああ!? 君たちは魔王の娘ちゃんと……しつじだっけ、君?」
「はい、そうですけど……」
どうして僕たちのことを知っているんだ?
大きな疑問を持ったが、それを解消する前にまた彼女は気になることを口にする。
「君たちを『異常者』として捕まえる。大人しくしなさい!!」
「十分、大人しいと思うのですけど」
抵抗する気はない――というか、どうして抵抗をしないといけないのだろうか。
小首をかしげて、状況を把握しようにも情報が……。
それはそうと、ポケットからハンカチを取り出し、しゃがんでイリスの顔に付いた水を優しく拭き取る。
最初のコメントを投稿しよう!