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親は何でも知っている。だから、気になることを聞くのは賢いと思う。
好奇心というものなのだろう、がッ!
「ちょっと待っててください……。ま、魔王様!? ここは親である貴方から――!!」
『はあ!? っざけんな! イリスに教えるのは執事であるお前の仕事だろうが!!』
押し付けられましたよ! 酷いですよ!!
しかし、困った。嗚呼、確かに困りましたね!?
だからと言って、よく分からない男にその説明を任せちゃいけないです!!
『いや……まあ、娘の最後の声が可愛くてよか』
「ちょっと魔王様。その言い方は犯罪臭がするのでもっとマシな言い方にしてください」
これ以上掘り下げるとエライことになりそうなので、話題を変えましょう。それとも、もう通話を切って外へ逃げましょうか?
一刻も早くこの変態おやじから逃げないとイリスの身が危ない。
真剣にそこまで考えていると、カカカと急に笑い始める魔王様の声が聞こえた。
『ああ、そうかそうか! あぁ~あ。悔いはなくなった。最後にお前さんと話せてよかった。それとイリス。男の言うことには気を付けるんだぞ。いいな?』
それは初めて聞く、親としての台詞だった。
いや、貴方が言いますか。
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