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H2nなんてふざけたネーミングなんかして、今度会ったら不良品で突き返してやろうかな。
いや、でも金払ってないからな、それはそれでなんかカッコ悪いし。
もう、いいや。
靴紐切って脱ごう!」
本来であれば、新品のスニーカーの靴紐を切りたくなんかないが、タダで貰ったこともありハサミで紐を切る決意をした。
「えーと、ハサミハサミはと」
膝をつき、四つん這いになりながら部屋の棚からハサミを探す。
「あ!あったあった。
おし、それじゃー」
紐にハサミを通して思い切り切った。
だが、、、
「あれ?切れない?
なんで?」
何度ハサミで切ろうとも、ハサミの間で紐がグニがなるだけだった。
「はぁ?何だよこれ?
どんな素材で出来てんだよ?」
見た目も触った感じも、ただの靴紐にしか見えなかったが、決してハサミを受け付けない。
「どうすんだよ?
これじゃー、スニーカー履いたまま過ごさなきゃダメじゃん」
そう諦めかけた俺だったが、イチかバチかで先ほどの店主がいないか、先程の露店まで戻ってみた。
しかし、露店も店主の男もおらず、また仕方なく家に帰る。
結局色々とその後も奮闘したが無駄に終わり、俺はその日、スニーカーを履いたまま寝ることにした。
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