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露店
「解けろ、解けろ、解けろー!!」
ドサ
俺は玄関に大の字になって倒れた。
―3時間前-
「今月は結構バイト頑張ったからな、自分へのご褒美は何にしようかな」
通帳を見ながら俺はニヤニヤする。
俺の名前は土屋直樹(つちやなおき)大学2年生。
今日はガソリンスタンドでのバイト代が俺の口座に振り込まれた日。
その月のバイトをどれだけ頑張ったかによって、毎月ご褒美の額を変えていた。
「7万か。
そうだな、1万~2万円ぐらいは一気に何か使ってもいいかな」
通帳をカバンにしまうと、俺は早速街へ繰り出した。
服やアクセサリー、CDやゲーム、本など色々と店を回り見たが気になる物が見つからず、この日は諦めて帰ることにした。
夕暮れの中帰る道中、道端に突然ポツンと露店をやっているのが見えた。
「あれ?あんな所で露店なんてやってるの初めて見るな」
通り過ぎる際、チラッと何を売っているのか見ると、一足のスニーカーだけがあった。
他の商品は見当たらず、売れてしまったのかなと思いながら通り過ぎようとすると、フードを被り顔がよく見えない店員が急に話しかけて来た。
「お兄さん、これ買ってかない?」
声からすると、男なようだが歳までは分からなかった。
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