望みの夜は…

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「ほっとくと良いわよ」 不意にルナが声をかけてきた。 「年末年始は長達、忙しくなるから。…特に今年は問題が多かったしね」 「…耳に痛い言葉だな」 ルナとヒミカの口元が、わずかに歪んだ。 そしてその歪みは、マミヤとハズミの顔にも出る。 「…それに、マノンのこともあるみたいですしね」 ソウマはマカに背を向け、声をひそめた。 「未だ何の情報も掴めていないそうです。一部の血族の者が、すでに消滅したのではないかと言っていますが…」 「でも相手はマカの双子の弟。しかもその肉体はマカの母上の『呪』によってできたものだからね。…そう簡単には消え去りはしないでしょ」 ヒミカが肩を竦めた。 マカの次に血族で優秀とされている彼女の言葉に、全員が険しい顔になる。 「なあ、マカの母親って、呪いを使うのか?」 ハズミも声を低めた。 「…正確には、強い思いを物に込める能力を使うの。でもその物は、血族の者じゃなきゃ作れない。媒体も特別製じゃなきゃ、彼女の力を受け入れられない。カノンは一見は可愛い女の人ってカンジだけど、マカの実母だからね」 ルナは深く息を吐いた。
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