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彼は1年間、一日も休むことなく 先生達の目を盗んで 私に会いに来た。 毎日毎日、手を握りしめて 今日はとても暖かい日だよ、とか 花壇に植えてあるチューリップが綺麗だよと、スマホで撮った写真を見せてくれたり 枕元に可愛い、小さなぬいぐるみを持ってきてくれたり 本を読んでくれたり 髪を梳いて、可愛らしい飾りをつけてくれたり とにかく毎日、毎日 真っ白で、真っ黒な私の世界に色を塗っていった。 そして、残り1ヶ月となった時 私たちは 自然と それが当たり前のように 心を寄り添わせた。
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