1

2/2
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
私は 今の医療技術を持ってしても どうする事も出来ない 不治の病と呼ばれるものに侵されている。 なので 法の定めた16歳の春には 私の体は、特殊な装置でとかされ、洗浄、殺菌されて、他の病気で苦しむ人々の元へゆきます。 昔の臓器移植、それがこの形になったと思ってもらえると、わかりやすいのかな? とけた私の体は、それを必要とする人の中で混ざり合い、融合して、その人に必要な働きをして、生命を繋ぐ 私は、私という体も心も失ってしまうけれど、沢山の人の生命を繋ぎ、そしてその人の中で生き続ける。 綺麗に言えば、こんな感じだけど そんな風には思えない だって、私は私として生きたい この技術があるなら、私にだって とけた誰かと融合して、助かる道もあったはずなのに。 どうして私は、それすらも出来ない不治の病なのか… そしてなぜ、不治の病だから16歳で、この身をとかして他人に差し出さねばならないのか… こんなことを思う私が非道な人間なのかな…
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!