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(ばれた)
全身から冷や汗がどっと噴き出し、足元から震えがたちのぼってきた。ケンちゃんはすぐにでもぼくの犯行と告げに行くだろう。
(こうなったら、なんとかこの場でトラ丸をケンちゃんに飲ませるしかない)
けれど、どうしたらいいのかさっぱりわからなかった。ケンちゃん相手に一対一で勝てるわけがないのだ。
額から汗をしたたらせながら恐る恐る目を上げた。すると、ケンちゃんもこっちをじっと見つめていた。ぼくは面食らった。いつもの蔑んだようなまなざしでなく、思いつめたような真面目くさった顔だったからだ。
「その猫、わけてくれたら黙っててやってもいいぜ」
ケンちゃんの言葉にぼくは目を見開き、怯えたようにふるふると首を横に振った。
「……そんな。だめだよ」
「じゃあ警察に言う。おまえ一生刑務所から出れねえよ。なんせ八人も猫に変えたんだからな」
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