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終章
ぼくはオレンジ色のトラ猫になって、ケンちゃんちで暮らしている。
ケンちゃんが学校に行っている間は、やはり猫にされたケンちゃんのお兄さんと一緒にケンちゃんのベッドでひとかたまりになって寝ている。
ケンちゃんは帰宅すると、お兄さんを足で押しやりながら「ここで寝るな、バカヤロウ」と暴言をぶつけたりする。でもそれ以上のことはしない。ケンちゃんは猫が好きだから、できないのだ。
学校でいやなことがあったりすると、ぼくをぎゅっと抱きしめて泣いたりもする。
ぼくはケンちゃんのことがものすごく欲しかったけれど、ぼく自身がケンちゃんのものになるのも悪くないと思った。
そして、最近体がひどくむずむずする。
ぼくもトラ丸のように突然溶けてしまう前兆なのかもしれない。
そうなったらケンちゃんは、ぼくがトラ丸を失った時のように悲しむのだろうか。
ー完ー
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