ゴミ分別

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 ああ、まただと思ったが、道に吐き捨てるよりは遥かにマシなので、特に何も言わず歩いていたら、後ろから大きな音がした。  振り返ると、さっきガムを捨てたゴミ箱が倒れていた。  側に誰かがいるとかはないし、ゴミ箱が倒れるような強い風が吹いている訳でもない。  多分、設置が悪かったのだろう。そう考え、歩き出そうとした時、また後ろから物音が響いた。  振り返り、友達と同時にその場で固まる。  さっき倒れた筈のゴミ箱が起き上がっている。どころか、まるで生きてでもいるかのようにピョンピョンと飛び跳ね、勢いよくこちらへ向かってくる。  逃げることもできず、ひたすらその場に立ち尽くす俺達の前までゴミ箱が迫ってくる。そして、中から弾けるようにかぶせられていた蓋の部分が吹っ飛んだ。 「おええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」  ゴミ箱の中から色んなゴミが飛び出し、俺と友達目がけて飛来した。  丸められたティッシュ、何かのチラシ、食いかけで捨てられた何かの食品…そういった物が溢れ出し、俺と友達にぶち当たる。けれど不思議なことに、ゴミ箱内に大量に入っているペットボトルや缶、そして瓶は一つたりと外へ飛び出してこないのだ。  家かでゴミ箱の吐瀉は終わった。  中に残る、本来捨てていいゴミの音を響かせながらゴミ箱が元の場所に戻っていく。その様子をゴミにまみれた俺と友達は呆然と見つめていた。  この以来、俺はゴミの分別を徹底するようになったし、あんなにずぼらだった友達も、今では俺以上にゴミの分別に関しては厳しくなっている。  ゴミ箱自身に中身をぶちまけられ、主に燃えるゴミまみれにされるなんて体験をしたら、そうなるのは必然かもな。 ゴミ分別…完 
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