プロローグ SIDE:勇元 心

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プロローグ SIDE:勇元 心

 ――23XX年 4月11日(土)―― 「おい! 多田野! 作業する手が止まっているぞ!」 「あーもー! いちいちうるさいなー! かいちょーはー!」 「う、うるさいとは何だ!? 今お前がすべきことは…」 「あーはいはい、お説教は間に合ってますー。 というか今のでますますやる気失くなったしー! もー知らない!」 「な、何だとっ!?」  作業をしようとしない声の大きな女の子に、生徒会長が注意をしている。  けれど、女の子の方は全く興味が無いのか、やる気を出そうとはしていない。 「大野木君も、永峯先輩も、もうちょっと真面目に取り組んでください。 このままでは予定通りに終わらせられません」 「無茶言うなよ、久松。こんなの門外漢過ぎて全然進められないっての……」 「右に同じ。付き合いきれねえな。弁当が出るとはいえ、割に合わねえ」 「なっ…! 貴方たち、そんないい加減な態度でいいと思ってるんですか!?」  一方では、副会長で僕の幼馴染みである侑以が、男子二人に注意をしていた。  男子のうち一人は、僕の中学時代の同級生である櫂人。     
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