プロローグ SIDE:勇元 心

7/27

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
 過剰で煩わしい人付き合いも必要なく、僕みたいに内向的なタイプの人には、うってつけのシステムと言えるかもしれない。 「そんな怪しい噂より昨日見た動画見てよー! 流行りの∨ライバーが出演しててすっごい面白かったんだー! 今URL転送するから!」 「ん、オッケー」  女の子達は早くも話題を変えて、流行りのヴァーチャルライブ動画について話しているみたいだ。  URL転送を行うために、二人がお互いをじっと見つめ合う。  次の瞬間、彼女たちの片目がそれぞれ桃色と黄色に発光し始めた。 (ブレホのローカルデータ転送機能か……)  必要な事なのはわかるけど、ローカルでデータの送受信をする際に互いに見つめ合う必要があるのは、ちょっと恥ずかしいと僕は思う……。  通信制教育自体は数世紀も前から確立していたらしいけど、それを爆発的に普及させた要因は、やはりブレインチップの普及によるところが大きいだろう。  人類が小型コンピュータの開発を続けてきた結果、そのサイズはマイクロに始まり、ナノ、ピコ、フェムト、アト、ゼプト、そしてヨクトサイズへと加速度的に進化を遂げてきた。     
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加